クイズの出題とDJ、ほぼ同一説

この記事は「クイズやるひとアドベントカレンダー Advent Calendar 2018 - Adventar」のなかのひとつです

 

クイズの出題とDJはほぼ同一の行為である。

「こいつなに言ってんだ」とお思いでしょうが、個人的な実感としてはこれがまったく同一なのだ。

以前、「クイズ!かなトロドン」という企画を行ったことがあるのだが、これになぞらえて説明してゆく。

これは、曲の頭を全て歌詞の「かなしみ」に合わせてある、というラントロクイズだ。

作成にあたって、まず歌詞に「かなしみ」が含まれる曲を探さなければならない。これはカラオケメーカーのWebサイトで歌詞検索ができたので簡単だった。

次はざっくり選んだ曲を特徴別に並べかえる作業。サビに印象的に「かなしみ」が入っている、サビじゃなくてもメロディや歌い方が特徴的で答えやすい、難しいかもしれないけれど有名な曲、曲名自体に「かなしみ」が入っている、単純にウケ狙い、などなど。思ったよりバリエーションに富んだチョイスができた。

そして肝心の曲順並べ替え。ここからがDJである。

「だんだん難しくなっていく」「曲によっては出す順番に意味を持たせる」これが理想。

一例を出すと、まず例題を盛り上がる曲で始めたかったので、B'zの「Ultra Soul」を持ってきた。ちょうどサビの後半に来るのでルール説明としてもわかりやすいし、なにより実際盛り上がった。

出題順にこだわったのは、

もののけ姫」からの「いつも何度でも」というジブリつながり、「10年桜」からの「君は僕だ」という前田敦子つながり、「チャンピオン」からの「サライ」という谷村新司つながり、など。このあたりは特にDJのように曲順で遊ぶことができたと思う。

実際のクイズは全部60問出題したのだが、その最初は、挨拶の意味を込めた斉藤由貴の「悲しみよこんにちは」、最後の曲は、開催が日曜日だったので、その日曜日が終わる頃に放送されている「ガキの使い」がモチーフになったと言われているTHE HIGH-LOWSの「日曜日よりの使者」。

かなトロドン!は、そんな細かいこだわりを持って作った企画だった。これは自分が参加した初心者向けのDJイベント「DDJDJ」の経験に基づいている。

やったことない人間からすれば、DJというのは高度な技術が求められるイメージがあった。さすがにスクラッチを多用することはあまりないのは知っていたが、BPMを合わせて違和感なく曲を頭出しするとか、難しいイメージが先行していた。

だが、実際練習会ではそういうことはほとんど教わらなかった。今考えれば初心者なので当然なんだけど、それよりも曲順とかおおまかな流れのほうが重要なのだろうと感じた。

本番でも、テクニックは最低限で、本番直前まで死ぬ気で考え続けたセットリストを披露することで精一杯だったのだけど、なんとか楽しく終えることができたし、(初心者向けのクローズドな場というアドバンテージはあれど)盛り上がったと思う。

 

今回の例はラントロなので同じ音楽になってしまっているけれど、読み上げの早押しクイズでも近いことは言える。文章の組み立てやパラレル等、技術も突き詰める必要はあるのだけれど、とりあえずは初期衝動ととにかく考え続けることでなんとかなる。

とにかく考えて考えて考え続けることは、技術の拙さを凌駕する。そういう話でした。